小説家の松浦寿輝さんが、「心を手渡す」として、ある人との手紙のやりとりについて、書いておられました。
その相手の人とは、見知らぬ人で、オーストラリア在住の日本文学研究者。その人の本に作品を引用させてもらえないか、という許諾依頼だったそうです。
こういうやりとりはメールで、というのがすっかり定着する中で、その人は航空便を使って依頼文を送ってきたと。それにならって松浦さんも手紙で「もちろんどうぞ」と返事をしたら、御礼の手紙がまた届いたそうです。
メールのほうが効率がよく、費用もほとんどかからないわけですが、海をこえて手紙をやりとり出来ることが、いかに素晴らしいか。
それは「手紙」や「手間」に象徴される「手の記憶」だと。
画面上に表示される電子メールのコミュニケーションではなく、手紙には自分の手で触れられる。それがいいですよね。
私も手紙を書くことは好きですが、最近は書くとなったら気合いを入れて…なので、もっと気軽に書けるといいのになぁ。
そう思っていたら今日、娘が「カードを選びたい」とリクエストしてきました。2人で出かけた時にちょっと寄り道して、一緒に選びました。
相手をイメージして選ぶところから、いい時間だな~と感じました。