ことば

幻の甲子園

高校野球、もうじき始まる甲子園大会に向けて、各地で予選が大詰めですね。
昨日はテレビを付けたら、たまたま東東京大会の決勝戦でした。

高校野球は大好きで、昔は憧れつつ見て、ほどなく選手が年下になり、今では息子ほどの年齢になってしまいました。でもそんなことはさておき、最近は見ると必ず涙してしまいます。
そのひたむきな姿に感動してしまうのと、どっちも勝ってほしくなってしまって。

そんな甲子園、今年は実施されますね。でも3年前、コロナの影響で、戦後初めて中止になったのでした。
その時は世の中の何もかもが止まっていたので、そういうショックなことのうちの1つだと感じただけでしたが…今思うと、その時の選手たちの気持ちはどれだけつらかったことでしょう。

まさに、その時の高校生が「あの夏を取り戻す」として、独自に大会を企画したことを知りました。

大武優斗さん。代表発起人としてプロジェクトを立ち上げ、参加チームを募り、クラウドファンディングで800万円ほども資金を集めたそうです。
11月29・30日に甲子園を含む、兵庫県内の球場で記念試合が行われるそうです。

そんなことが実現できるなんて…きっと、地道な努力と、色々なご縁が重なったのでしょう。

何より、大武さんの「自分は誰にでもできることを愚直にやり通しただけ」というコメントが、とても印象的でした。いやいや、誰にでもできることではないと思いつつ。

「愚直にやり通す」…それを支えたのは、夢が、まるで握りつぶされるようになくなってしまったことへの、やり場のない気持ちだったと思います。

やるせなさ、悔しさ、無力感…でもそれは後に、ものすごいエネルギーに取って代わるのだと。本当にすごいと思いました。

書くということ前のページ

『この夏の星を見る』次のページ

PAGE TOP