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親の役目

 日本二分脊椎症協会会長、宇佐美珠江さん。二分脊椎症児とされる娘さんを育てているママさんでもあります。

たくさんの専門医の指導と、先輩ママさんからの知恵をもらい、「すくすく育った」と言える今。そうは言っても色んなことがあったに違いないと思うのに…。

お嬢さんが誰の手も借りずに排尿、入浴、排便を自分で管理できるようになった時、「娘の自立がほぼ完成した」と感じられたそうです。そして一言。「母親の私は、いつでも死ねると思った」と。

 私は、子育てがスタートした頃、専業主婦でした。自分の全てをかけて、いかに手をかけるか。とにかく精一杯やることが育児だと信じていました。今、思うととても「やばい」状態です(笑)。

2人目が生まれ、その息子が幼稚園に入って預かり保育ができた頃から、仕事を始めました。最初はパートタイム。その後、フルタイムに至ります。仕事をする中で段々と思うようになったことは「背中を見せる」こと。そんな大そうなことではないのですが。子供たちが小学生になった時、基準が一生懸命、まっすぐな姿を見て「私もがんばらなきゃ!」と思わせてもらったのです。

そしてつい先日、中学の入学式で挨拶をすることになった息子の姿を見て、「もう教えることはないのかも…」という気にさえなりました。一緒に考えたり、私の意見を伝えることはするとしても、何かを教えるという関係は過ぎた気がしました。親の役目って、何なんでしょう。

それにしても、宇佐美さんの言葉には重みがあります。本来、育児とはいかに自立させるか。自分が死んでも、そのあともしっかりと生きる術を伝えることだと思うのです。宇佐美さんのように、ずしんとは伝えられないけれど。宇佐美さんの言葉は、私に入りました。

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