AIの発展が目覚ましく、人の仕事が取って代わられるという話しを聞きますが、何度聞いても正直、それは自分からは遠いことと感じてしまい、興味が持てませんでした。
それが、ちょっと身近に?!関心を持って感じられたニュースです。
突然ですが、私はバウムクーヘンが大好きです。有名どころのものからコンビニ(失礼!)のものまで。バウムクーヘンならば嬉しくなります。例えば仕事で切羽詰まっていたり、さすがに食欲が…という時でも、バウムクーヘンと牛乳なら食べられます(笑)。
そのぐらい好きなバウムクーヘンの老舗であるユーハイムが、AIを搭載したオーブンを開発した!その名は『THEO(テオ)』。
食の技術とは奥が深く、弟子が親方の技を見て学び、身体で覚えるもの。だからAIでは到底、引き継げないとされてきたのです。
しかも、バウムクーヘンは1000本焼いてようやく一人前と言われる難関。ところが、ユーハイムが職人の技を画像解析してAIに機械学習させたところ、わずか15本でその技を習得したのだとか!恐るべし『THEO(テオ)』!
バウムクーヘンは、くるりと薄く生地をつけて、表面を火で閉じ込めるようにぐるりと回す、これをひたすら繰り返す…これが、AIの得意とするところだった。そう言われるとそんなイメージを持ちますよね。
意外だったのは、これで職人さん側はAIに仕事を奪われかねないわけで、共存はできないと私は思ったのですが。THEOを導入して、むしろそれに習って積極的にバウムクーヘンの作り方を改良したのだとか。
それは、AIが作った完成品を職人さんが食べて、知らず知らずのうちに身に付いた自分の癖に気づき、改良点を見出せたから。「技術の伝承とは、進化させること」として、THEOは一番弟子とされた…。
生産性を上げることだけに使われるだけではないのですね。職人さんの作品と、AIの作品と、食べ比べしてみたいです。きっとどっちもすごく美味しいだろうから(笑)。
最近「時短」とか「レンチン」とか、私もそれらに助けられることもあるのですが、食文化が発展しているとは思えないですよね。
AIに料理の本質を伝授しようという試みは、バウムクーヘンに限ったことではなく、例えば日本料理の「お浸し」も、AIで再現すべく、研究が進んでいるのです。
お浸しって、煮すぎてもいけないし、生のままでも違うし、絶妙な火加減ですよね。そこを「技を紡ぐ上で大切な我を捨てること」が「我のないAIに期待される」のだそうです。
有名料亭に行かなくても、舌鼓を打つようなお料理が食べられたら。それは魅力的だけれど…「おふくろの味」なんて、消えてしまうのかなぁ。それはちょっと淋しいですね。