池上彰さんのコラムを読んで、最近よく職場(主に研修の場)で言われている「プライマリークエスチョン」と結びつきました。
池上さんは現在、大学で教えておられます。そこで大学の夏休みとは、学生にとって集中講義の季節であり、同時に「教員免許更新研修」が行われることにも触れられていました。
私は、まず教員免許が更新制であることを知らなかったのですが、しかもこの研修を廃止にすることが検討されているそうなのです。
細かいことはさておき、教員免許には10年の期限が設けられていて、期限までに大学の教育学部などで、計30時間以上の講習を受けることが義務付けられていると。
最新の教育法などを学ぶとすると、とても意義があると思うのですが、実際にはそう理想通りいかないのだと。
大学の先生の中には教え方が稚拙だったり、最新の教育現場に疎い人もいる。そのため「研修は実践的ではない」という不満が出るのだそうです。
印象的だったのは「実践的=すぐに役立つことを教えるべき」とする意見に対し、池上さんが「すぐに役に立つということは、すぐに役に立たなくなるとも言える」と述べておられることです。これにまず納得。
そして、ようやくですが、プライマリークエスチョンについて。教えることの下手な教授の話を聞かざるを得なくなったときの対処法として、書かれていたことです。
「この人の教え方はなぜ、つまらないのだろう。この授業はどうすれば面白く展開できるだろうか」と、その場で自分だったら…とシミュレーションするというもの。
これってまさに「プライマリークエスチョンの実践だ!」と思ったのです。
そもそも、プライマリークエスチョンとは。自分に対して無意識のうちにマイナスな問いかけをしてしまうのが人間だから、あえてプラスの質問をしよう!ということなのです。
例えば新たな課題を前にした時「こんなことやっても意味がない」とは思わずに「これをやるにはどうしたらいいのか」と前向きにとらえ、考えていくというものです。
ひと言で表すならば『質問の質が人生を決める!』ので、これはとても重要な考え方です。
でも私自身、実際はこれがとても苦手です。だから、研修でこの話が出るたびに、内心ため息をつきながら聞いているというのが、正直なところでした。
でも、ひょんなことで腑に落ちることってあるものですよね。私はこの池上さんの示されたことから、プライマリークエスチョンを改めて自分に課してみようと思えました。
長くなりましたが、いかがでしょうか?