映画監督の飯塚花笑さん。最新作『世界は僕らに気づかない』では、アセクシュアルの女子高生が登場するそうです。
飯塚さん自身がトランスジェンダーであり、「希望を大切にしています」と語られるその思想から生み出されるのは、世間で当たり前とされる家族像でなくてもいい、とするメッセージです。
自身の立場を知った親戚から「神の教えに反する」と怒られた。…とてもリアルな体験だと思いました。そして、身近なところから否定されることの厳しさが伝わりました。
私自身は、どんな人もそれぞれの自分の姓や価値観で生きられたらいいと、漠然と思っています。でもそれには根拠がないし、覚悟もないことを改めて感じました。
飯塚さんが書いていらしたこと。
「理解という言葉が嫌いです」
これを見て、まさに理解しようとしていた自分がいたからドキッとしたのです。理解しようと思うことは、歩み寄ることだと思っていたので。
でもそうではなくて、「理解してほしいんじゃない。ただ、当たり前なんだと。そう思ってもらえたらいい」と。
その人の気持ちに寄り添うということは、難しい。そう思って精いっぱいすることしか、ないような気がします。
間違ったら「ごめんなさい」と素直に伝えながら。