字幕翻訳家の戸田奈津子さん。その地位を確立して約20年、85歳になられた姿が、日経に出ていました。字幕を担当した作品は優に1000本を超えるそうです。
字幕とは「観客と映画の世界をつなぐもの」。だからこそ「字幕が映画の世界を邪魔しないことが大前提」なのだと。
字幕をつける作業は、原文と日本語との間での、せめぎ合いだそうです。「原文の直訳として成立する部分」と「日本語として成立する部分」の中間がどこかに必ずあるはずで、「それはとても細い線」と感じるのだと。これがまさに、プロとしての実感なのだなぁと思いました。こういう、突き詰めた人だからこそわかる感覚を知れると、感動します。
そしてもうひとつ。限りなく原文を生かし、日本語としても成立させる字幕の仕事とは、「選択と断念の連続」という言葉。なるほどな~と思いました。
「選択と放棄」=お洗濯とホウキよ!という言い方を教えて下さった方がありますが、意味は同じだと思います。
一方を選ぶことは、その他を捨てること。これをするには、決める勇気が必要。決められるって大事だと思います。自分で決めて、決めたことに責任を持つこと。そうできるように、自分を支えたいですね。