「教育ユーチューバー」という肩書の「葉一(はいち)」さん。
その存在を、新聞記事で知りました。
小中高の教員免許を持ち、営業職と塾講師を経て独立。
塾講師時代に、経済的な理由で塾に通えない家庭が想像以上に多いことを知って「ユーチューブ動画なら無料で視聴できるから」と、授業動画の寄稿を始められたそうです。
さらには、葉一さん自身が中学時代にいじめを受けて、登校がとても苦しい時期があったと。同じ境遇にいる子どものために「学校に行かなくても勉強面は大丈夫」と言える環境を作りたかったのだそうです。
なんという思い、そしてそれを形にするなんて、すごいですよね。
どれだけの人が救われたことでしょう。
どうしたらこれだけのことができる力を持てるのか…。
そして、その活動を通して、葉一さんが現代の子供たちに感じていることに、ハッとさせられました。
「デジタルネーティブ」とされる現代の子供たちは、デジタルコンテンツの使い方に優れており、同時に時間の効率を求める意識がきわめて強いと。
これは私も、今の時代の10代・20代の人を見ていて、感じることです。
早送りで動画を観たり、音楽を聞きながら手元のスマホで何かやっている…なんていう人が多いですよね。
そういう彼らに対して葉一さんは、「正解は自ら見つけるものではなく、他人から教えてもらうもの」との思考が強い、と指摘されています。
少し前まで、私の世代はなんでもマニュアルを頼りに、説明されたことはできるけれども、ゼロから生み出す力が弱いとされてきました。
でも今は、それがまた少し違った形で指摘されているのだなと感じました。
物事の最適解は一発で見つかるものではないし、その過程が大事。
葉一さんも「これからは自分が何を考え、何をしてきたのか、がより問われる時代だ」と書かれています。
時代と共に、よりよく進化することを目指したいものですね。