おすすめの本

照一隅(いちぐうをてらす)

2019年12月4日、アフガニスタンの東部ジャラーラーバードにおいて、車で移動中に銃撃を受け亡くなった医師、中村哲さん。
その著書である『アフガニスタンの診療所から』。

中村医師は、病気の背景には食料不足と栄養失調があると考え、「100の診療所より、1本の用水路を」と、2003年からアフガ二スタン東部で用水路の建設に着手されました。

中村さんの言葉で印象的なのが・・・

◇「人のやりたがらぬことをなせ。人のいやがるところにいけ」
思うだけなら私にもできますが、実践されたところがすごいと、本当にそう思います。

◇「人は生きているのではなく、じつは生かされているのだ」
・・・これを目にした時、なんとも皮肉だなと思い、やりきれない気持ちになりました。
どうして中村さんのような方の命が、摘み取られなくてはならなかったのか。
死にはどうしても、理不尽さがつきまとう気がしてなりません。

そしてもうひとつ。

照一隅(いちぐうをてらす)
 →意味は、『自分が置かれた場所で、一つのことに最善を尽くす』です。

同じようなことを、シスター渡辺和子さんも書いておられます。
 『置かれた場所で、咲きなさい

今から10年ほど前、この言葉を心の支えになさいと、教わったのですが。
当時の私には、重荷でしかありませんでした。
置かれた場所をどうにか変えたいと、恨みつらみだけに自分をうずめていたような時代だったからです。
すべて人のせいにして、現状から抜け出すのにどうすればよかったのか、後悔ばかりしていました。

渦中にあると、恵まれている要素がたくさんあるのに、それをまるで感じられないんですよね。中村哲さんのような、まっすぐな生き方とは、対照的もいいところでした。

私は今もまだ、発展途上ではありますが、
素晴らしい生き方を重ねられた人の言葉が、しみじみと心にしみるまでには、心が健全になってきたなぁと感じます。
















お墓参り前のページ

人生のドア次のページ

PAGE TOP