塾のオンライン授業に関するコラムを読みました。
最近では塾を掛け持ちする生徒が当たり前になっており、自習室の様子を見ると、スマホで他塾の映像授業を受けている、と。有料配信の講座、YouTubeの動画授業、学校や塾の映像授業…などなど。今の時代の受験生たちの大変さとは、どれほどでしょう。
「人気を集める映像講義」の特徴は、ワンフレーズ政治さながらの「わかりやすさ」なのだそう。でもこれ、例えば英語なら、文法を深く理解するよりも、講師の売り文句を頭に刻み付けるような勉強になってしまう。生徒からすれば、疑問が残らず、「どんどんカリキュラムを消化している錯覚に陥る」ばかりで、この傾向に筆者は警鐘を鳴らしていました。
なるほどと思ったのは、『授業の意義は対話にある』という一文。問いを投げかけることで、生徒から気づきを引き出すこと。生徒が主体的に問いを発するように向けることも狙いで、ともするとわかりやすさだけを優先するわけにはいかないのだと。
うーん。これには大いに感じるところがありました。
というのは、セミナーをする側の立場として、昨今のオンラインセミナーで、参加者の人達を見ていると、まさにそうなのです。
こちらが一方的に話すだけでは、どうしても眠くなってしまったり、関心を高めてもらえないのです。
こちらの狙いをしっかりつかんでもらうためには、必要なのは「対話」。どう投げかけるか、そして答えとして何を引き出すのか。台本通りにいかないことも多いし、その場でどんな答えが返ってくるのかわからないのは正直、不安材料でもあります。それでも、なるべく一方的に話すだけにならないように、想定するのです。
学生だろうと、大人だろうと、学んでつかんでもらうための工夫は同じだと思うのです。説明するだけではなく、「対話」することを意識したいと思います。