作家の逢坂剛さん。昔の古い映画作品を観ることについて。
「何十年も前、感動した映画を久しぶりに見返すと、分かっていても泣けてくることが、しばしばある。」と。
それは「単にその作品が優れているから、という理由だけではなくて、それを観たときのかつての自分が置かれていた時代、環境といったものが、さまざまとよみがえってくるからだ。」と。
そのことについて「若き日の自分と再会できる」と表現されていました。
なるほど…。映画でも、あと音楽もそうだと思うのです。繰り返し繰り返し、聴いた曲。(アルバムの中から、自分の好きな曲だけ選んで再生したりして。)
その曲をふと、今になって耳にすると、当時のことがよみがえってきます。
わかったような気になって「失恋した時は、音楽は聴かない方がいいんだよ」なんて、10代の頃、友達と言い合いました。女子校で、恋愛とは無縁だった頃に(笑)。
そして今、改めて。「若き日の自分」なんて!…とは、思わなくなりました。それなりに振り返れるだけの年数を、生きてきたなぁと。
単に「当時を思い出す」だけではなくて、「若き日の自分と巡り会う」と思えると、素敵だなぁと思いました。