『シャーロットの贈り物』という本(児童書)をご存知ですか?
アメリカの田舎町を舞台にした物語です。農場で生まれたブタとクモ。そして農場の女の子の愛と友情の物語です。
昔、読んだ本で今も残っているものって、ありますよね。
今になって改めて読んでみると、違ったところに思いがけず感動!!なんていうことがあって嬉しくなります。
この『シャーロットの贈り物』もそうでした。
簡単に言うと、その女の子は生まれた子豚をウィルバーと名づけて、大事にします。
でも農場ですから子豚の運命は決まっている・・・そうさせないために、クモのシャーロットがウィルバーの頭上に「最高」とか「ぴかぴか」とか、文字を編みこんで巣を張るのです。それは、クモが人間達に見せてくれる、奇跡です。
女の子は、ウィルバーとも、クモやそのほかの動物たちとも、言葉を交わすことができます。しかし、クモや子豚、農場の動物たちに、すっかり夢中になる娘を心配した、母親は、カウンセリングドクターのもとに訪れます。
そこで、先生の言葉が素敵だったのです。
子供のころの私は、思い切り読み飛ばしていましたが(笑)。
娘のことを心配し、子豚とクモの巣の一件を話す母。
クモの巣の奇跡(小さな町ではすっかりうわさになっている)を知っていたドクター。
「あら先生、あのクモの奇跡をご存知で?」
そう問われると、ドクターは
「もちろん知っていますとも。」と言いつつ、
「そもそも、クモが巣を張れることこそが、奇跡なんですよ。」
とう答えるのです。
誰に教わるでもなく、クモは生きていくために、えさとなる獲物をとらえるために、自分の糸で巣を張る術を、生まれながらに知っている。
「これほどの奇跡がありますかね?」
と語るのです。
うーーーーん素敵!!!
そうか。当たり前に思っていることの多くが、奇跡なのだと。
冬の日、寒さでぴんと張り詰めた空に、朝焼けが美しいとか。
そういうことひとつも、きっと奇跡・・・だったりして?!
なんだかほっこり、納得したのでした。