手元に未読本がなく、こういう時は以前に読んだ本をもう一度、味わいます。
森下典子さんの『日日是好日』。 「まえがきを読んだだけで、目に涙がわいてきます」と、解説を寄せた柳家小三治さんの文章にあるほど。素敵な本です。
すっとまっすぐな文章なので、さらっと読むこともできるのですが、感じやすくなっている時に読むと、まさに「涙がわいてくる」のです。
今日、帰りの電車で読んでみて、改めてこみあげてくるものを感じたのは「長い目で今を生きること」という一節でした。
今日は早朝から終日、セミナーをやらせてもらいました。うちの会社が提供するセミナーは複数ありますが、その中でも繰り返し触れるもの。学び始めて20年以上のべテランさんから、1年足らずという新人の方まで、一緒に取り組むのです。
それほど、奥が深く、どれだけ勉強しても、終わりがない。
きりがないようで、でもやれば必ず、 「あ、こういうことか」「あ、これでいいんだ」と、何かをつかむ瞬間があるのです。
だから、やればやるほど、もっとやりたくなるのです。それこそが、ま「長い目で見て今を生きること」なのではないか?と。
『いろんなことがあるけれど、気長に生きていきなさい。じっくり自分を作っていきなさい。 人生は、長い目で、今この時を生きることだよ。』
優しい語りが、心地よく疲れた心身に沁みました。