その他

自分の器

 

一人ひとりが自分専用の食器を持つことは、日本では当たり前ですが、西洋ではあまりなじみがないとか。ふだん使いの食器に愛着が持てると、ささやかな喜び…単純にほっとします。

 個人的にはマグカップが好きで、その日の気分で選びながら使っています。

 何があっても、日常の何気ないことで落ち着きを取り戻せる…例えば私だったら、夜、疲れたな~と思いつつも、マグカップでお白湯を飲んでボーッとする時間が好きなのです。

 私の場合は一人が好きですが(笑)、夫婦の情景を描いた素敵な一文があります。小説のタイトルも、今の季節にぴったりなのでご紹介します。

『夏の終り』 瀬戸内寂聴 

 夫婦湯呑み(みょうとゆのみ)で、         茶を汲み分け、向いあっていると、              掌に挟んだ茶碗のぬくみのような、             肌なつかしいあたたかな、                  こうした時間は、                             これからも無限につづいていくような気がしてくる。

・・・なんとも平和な感じが伝わりますよね。この小説そのものは、穏やかな展開ではないのですが(笑)。

「掌に挟んだ茶碗のぬくみのような」、          「肌なつかしいあたたかな時間」。

こういうなんでもないような、ささやかなことを、大切に感じられる。そんな感性を持ちたいと思います。 

☆今週はすごく暑かった~と思うのは私だけでしょうか?!皆様どうぞよい週末を。次回は月曜に更新します。

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