ある塾の先生のコラムより。
今年、中学3年になったA男は、サッカーでスポーツ推薦を得て進学することを考えているが、成績がかんばしくない…他の塾の面談でふてくされた態度をとり、「これでは無理です」とさじを投げられてしまった。
その先生は、A男と話しながら、サッカーの話になると明るい表情でよく話すこと、でも通知表の話になると、授業中に私語をしたり、自宅でも勉強は後回しでゲームやスマホに触ってしまうこと。それを「きまり悪そうに話す」様子から、「このままではまずいとわかっているのに、一人では行動を起こせないタイプ」と見抜くのです。
後日、母親を交えて3者面談の席で、「うちの子どうですか、もう無理ですよね」というお母さんに対して先生は、「とても素晴らしいお子さんですよ」と言うのです。その次の瞬間!「本当ですか」と涙を流したお母さんを見てA男は「俺、勉強やるから。もう泣かないでよ」と優しく言ったことが書かれていました。
「やる気がないように見える子でも、輝く時、輝く場所が必ずある。そう信じて我々が関わらないでどうする」。
「変化を作るのは子ども自身だが、私たち大人はそのきっかけになれる。」
子供たちだけではなく、人と人の関わりにおいて、こういうことが必要だなぁと感じました。
「A男と彼の未来を信じて、共に時を重ねていきたい」そう結ばれたコラムに、涙せずにはいられませんでした。