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「の」の字

 小学生の頃、習字を習っていました。朗らかな女の先生のことが大好きで、楽しみな時間でしたが、「の」の字が苦手でした。

「の」ってよく出てくるんです。難しい字だからか、漢字のなかで一文字ひらがなという場合に、しょっちゅう出てくるので、「あ~まただ~」とがっかりする。バランスが取れずに苦労していると、たいてい書いた「の」が、お寿司の太巻きに見えてくるのでした(笑)。

いきなり余談から入りましたが(笑)、シスター渡辺和子さんの本に、「の」の字の哲学という話がありました。

例え話では夫婦関係を指していましたが、家族でもあるいは職場でも、相手の気持ちを受け止めるために「の」が有効だと。

相手が「今日は暑かった」とか「あぁ疲れた」と言ったときに「そりゃあ夏だもの」とか「私も疲れたわ」と言い返すと空気は悪くなりますよね。そう言うときに「暑かったの」「疲れたの」と「?」というニュアンスで返してあげると、相手は自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じて、安心できるのだと。

…本当にそうですよね。私は、相手の言うことをオウム返しにすることで、受け止めようと心がけていたのですが、それだけでは足りないなぁ~と思いました。

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