そのタイトルに目が止まったエッセイ。小説家の桜木紫乃さんが書いておられました。お子さんが2人、でもいずれも成人されていて、今ではご自身の生活をおうかしていると。私もその時代に片足は突っ込めていると思いつつ、いいなぁと思いながら、読みました。
桜木さんの育児、とっても力が抜けていて、いいなぁと思うのです。
「私は子育て中、まわりとうまくやろうとか、公園デビューとか、ママ友がどうのという問題をことごとく捨ててきた変人」
これだけ割り切れたら、楽しいだろうなと思います。
そして最高と思ったのが「晩ごはんのときは面白い話大会にしよう」と、「お母さんがウケる話ができたら、1話につき100円あげる」というもの。
基準はあくまでも、桜木さん自身がウケるかどうか(笑)。
「これを天下と言わずして何が天下か」というくだりにも笑いましたが、「子ども達それぞれに母の笑いの傾向をつかんで、組み立てがうまくなっていく」というのは、それいいなぁと納得。
ごはんくらい笑いながら食べようよ、という母なりの策だった、と振り返る桜木さんは、今では「自由は稼いで得ろ」とだけ、伝えているのだとか。なんとも潔い子育てです。
そして、最後に書かれていたここに、とても納得。
『健康と思い出が金では買えないことを教えてくれたのも、子育て時間だった』
過ぎてしまってからでは遅いこと、今なら間に合うこと。そう思いさえすれば、いつだってどうにかできる!そのことに気づけて、ありがたいなと思いました。