先日の台風19号。台風がこんなにも恐ろしいものだとは、
まったく考えもしませんでした。
ひと通りの備えをし、水や非常食を買い揃えました。でも、養生テープは間に合わず。
あとはベランダに置いてあるものを室内に、とか。自転車を飛ばないように、とか。
そうこうするうちに夜になって、風が暴風となり、雨が嵐のように窓に打ちつけるようになってくると、「怖いな」とは思ったけれど。
携帯でエリアメールが鳴り響くと、むしろ不安が強まるばかりだったけれど。
でも、その程度でした。
NHKのアナウンサーが、しきりと「命を守る非難をしてください!」と口にするのも、どこか他人事でした。
こんなにも甚大な被害がもたらされるとは、まさに「命を守る非難」をした人がこんなに多くおられるとは。ニュースで次々と実情が明らかになる・・・そこで、現代特有だなぁと思ったのは、一般の方がスマホで撮影したという映像。その生々しさでした。
パッと目にした映像に、釘付けになりました。逃げ遅れて、泥水があふれかえる中で、孤立状態。1階部分は完全に浸水し、なお、水がうねりながら迫り来る。2階から見た外は周囲の家が傾き、流され・・・恐怖しかありません。
そんな中で、お母さんとおばさんと3人で取り残されていた女性。
言葉を失い、泣き声のような唸り声のようなものを発するお母さんに、
『生きるんだからね!まだ生きるの!お父さんのぶんもあるんだから!!!』
振り絞るような声でした。
あまりに無責任な感想ですが、それを見ただけで、涙が出ました。
その後、自衛隊のヘリに救出される3人の姿が、画面に映りました。
何事もなく終わった私は、どれほどラッキーだったのか。
真逆の時間を今、過ごしている人が、どれほど多いことか。
自然を前にすると、ただただ、無力であることを思い知ります。
でもそれに負けないくらい、『再生する力』を信じたいと思います。