この夏、娘の影響で遠藤周作を読むようになり、そのまま続けて読んでいます。特にキリシタンに関して書かれたものは、映像ではなく文字だけであっても、突きつけられるように鋭く、読んでいて苦しくなるほどです。その遠藤周作さんが、ご子息の龍之介さんに語った話。
「砂の道は歩くと疲れるな。 いろいろな障害物もあり、消耗が激しい。 それでも砂の道は足跡が残るな。 お前はこれから上の舗装された道を行くのだが、 堅すぎる地面の辛さを感じる時もあるだろう。 それぞれの厳しい道を歩く、 人間の気持ちを忘れないことだ」
最後の「それぞれの厳しい道を歩く、人間の気持ちを忘れないこと」というところが好きです。すごいなと思います。
つい、自分の見方を基準にその他を判断してしまいがちなのに。そうではなくて、それぞれに厳しさを感じていることを思う…。 そうやって、自分も認めるし、相手も認めることが大切なのですよね。
どうかすると「お前たちはいいよな…」なんて、いじけた見方をしてしまうもの。 それぞれの視点になって、見ること。 心に留めたいと思います。