沢木耕太郎さんのエッセイに出てきた言葉です。
東北を訪れた際、食事をする場所を探そうと歩いていると、キャバクラの客引き(‼)をしている男性に出会います。
その人に教わって行ってみたお店がとても良くて、 でもわかりづらい穴場だったので
「旅行者にはわかりづらいですね」と話すと、 「最近は食べログなどで見つけて、Googleマップに案内されて人が来るから問題ないのですよ」と言われます。
それを聞いて沢木さんは思うのです。
ネットに頼らず、自分の五感を研ぎ澄ませ、次の行動を選択する。
「ただそれだけで」
結果として豊かな深い旅になるのに、と。
…このような内容のエッセイだったのですが、私はこの「ただそれだけで」という言葉が、とても素敵だなと思ったんです。
なんでもないようなことだけれど、 それに気が付いたら
「ただそれだけで」
そのことは、まったく違った意味を持つ。あるいは、まったく違ったものとして感じられる。
ささやかな、だけれども 大切な何かに気が付かせてもらえる言葉だなぁ、と思いました。