ことば

SAYONARA

新型コロナウィルス…この状況下だと、思わぬことに時間を使うようになりませんか?仕事の上でも、電話が増えました。それも、これまでにないようなゆっくりとした時間、話せるからです。


昨日、久しぶりにお話したY子さん。その電話の最後に「さよなら」って言われたのです。とてもさりげなく。でも、久しぶりに聞いた言葉だったので、新鮮に耳に残りました。

電話の終わり、特に仕事の場合には「失礼いたします」が多いでしょうか。私は年上のお客様に対しては「ごめんくださいませ」もわりとよく使います。でも「さようなら」って、なかなか言いませんよね。

 外国語からみて、日本語は美しいと評されることがありますが。
アメリカの作家、アン・リンドバーグは

「サヨナラほど、美しい別れの言葉を知らない」
と言ったそうです。


 世の中には出会いや別れを含め、自分の力ではどうにもならないことがあるが、日本人はそれを時として静かに引き受け、「そうならねばならないならば」という意味で「サヨナラ」と言って別れているのだと。

 そんなふうに考えて「さようなら」を使っている日本人が、今どれほどいるかしらと思ってしまいますが。

 コロナの影響で延期になったオリンピックですが、
1964年の東京オリンピックの閉会式で、電光掲示板に「SAYONARA」の文字が浮かび上がり、この日本語が世界に広まったのだそうですね。
今こうして想像してみても、それは素敵な演出だなぁと思います。

このような時だからこそ、日常の何気ないことをもう少し丁寧にしてみようと思いました。

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