図書館で本を借りることが好きなのですが、コロナでしばらく行けていませんでした。でも、休館していた近所の図書館が再開したので、とても嬉しいです。
何気なく手に取った小説、垣谷美雨さんの『四十歳、未婚出産』が面白すぎて、通勤時間があっと言う間です。展開が早く、そしてキャラクターの言うこと・やることの表現が絶妙!「あ~こういうこと、あるある!」と唸らせる描写がたくさんあります。
まだ読み途中なのですが、失礼ながら妙に印象的だったシーンがあります。
主人公の優子が、田舎の実家に帰り、母と兄姉と話すとき。頭の固い、いかにも考え方が古臭いお母さん。ひたすら心配性。東京で一人暮らしをしながら会社勤めをする優子に「テレビでセクハラ上司っちゅうのを見てから、心配でたまらんのじゃわ」と。
すると、すかさず姉が「母さん、テレビでやているのをいちいち真に受けてたらキリないってば」と呆れる…と、そこで母。
「ほんでも、あればNHKだったし、ドラマやのうてドキュメンタリーじゃったから、嘘であるはずがなかろう」って言うのです。ここで妙に納得してしまって。NHKが嘘を伝えるはずがない、っというところ。こういう考え方をする人、多いでしょうね~。
こんなふうに、それまで考えなかったところを腑に落としてくれる…そんなことがあるのも、読書の痛快さだなぁと思うのです。