日経新聞の「交遊妙」という欄が好きです。タイトルから察するに、つまり「交友録」。この人とこの人がつながっているんだ…と興味をそそられ、そして一方が相手を思いながら書いているところが何ともいいなと思うのです。
今回は、陶芸家の今泉今右衛門さんが、作家の京極夏彦さんのことを「大学時代からの友人」と書いておられました。
愛読している京極作品に「常に陶芸と通じるものを感じている」というのが意外でした。ものをつくるという共通点はあっても、小説と陶器で、そんなふうに感じられるものなんですね。
ある作品に出てくる名文句として、あげられていたのが「この世には不思議なことなど何もないのだよ」という言葉。今右衛門さんは「つまりすべては人の心が生み出したもの、ということだろうか」と説いています。
私もこれ、そうだなぁと思います。人の心がどう捉えるかで、すべて決まってしまうと思うのです。あと私は偶然はないと思っています。偶然と感じるようなことも、後になってみるとつじつまが合う。実は時間と共に「必然だった」と感じられる。…そう捉えたほうがいいと思うのです。
今右衛門さんが打ち込まれている「陶芸」というものについては、「自然と対峙する仕事。土や炎と無心に向き合うと、人の意識を越えたものを教えられる」と。「人の意識を越えたもの」…。理屈では語れない何か。でもそれは確実に存在するのでしょう。「すべては心の中に」。
☆今週もお疲れ様でした。蒸し暑さを感じるようになったこの頃。夏至を過ぎましたね。次は週明けに更新します。