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海外旅行はお好きですか？
私は海外に限らず、旅行というものが好きではない・・・
これから行楽シーズンだというのに、後ろ向きな発言で失礼しました。
こんな私ですが、自分が行かないぶん、旅行に行ったとか、以前どこぞに住んでいたとか、そういう話はぜひ聞きたいのです。

作家の下重暁子さんが、以前エジプトに住んだことがあると、コラムに書いておられました。１９７７年、今から４０年ちょっと前の、春から秋にかけて半年間。半年とはいえ、エジプトですよ！！そこで生活をしたという経験、尊敬です。

朝はモスクの祈りに誘う声がどこからともなく響いてきて、目が覚める。
昼になると迷路のごときバザールで人々の暮らしを目の当たりにする。
夕方になると、３０分ほど車に乗って、ギザのピラミッドへ夕涼みに。皆どこからともなく集まってきて、石積みに腰をかけて、何をするでもなくただ、その時間を味わうのだそうです。
そこでの出会いもまた楽しみのひとつで、ロバに乗った老人に聞けば、包みひとつを体にくくりつけた格好で、サハラに続く大砂漠へと向かう。いつどこへ着くのか、たずねてみると
「インシャアッラー」との返事。これは神の意思のままに、という意味。つまり、着いた時が着くべき時。日差しのない夜に旅をするのだとか。
下重さんは書いておられます。「彼らの時間は、今から未来へと向かうんです。」これこそが「本当の時間」と思ったのだそうです。

私達は、この逆ですよね。未来に予定が決まっていて、そこから逆算して時間を決めている。何時に待ち合わせだから、１時間前に家を出るとすると・・・とか。
そもそも、定年が何歳で、逆算するとローンが組めるのは・・・とか。何事も、先を決めてそこから考えてしまう。これって、決めればいいのかな。もうその考えはしない！と決めたら、エジプトの人々のように、エジプトに限らずとも本当の時間を生きられるのでしょうか。
管理するためのこま切れの時間ではなくて、ゆったりとした、たっぷりの時間がほしい。
１日が３０時間だったらなぁとは、よく思います。倍の４８時間だったら、とても持たなくてやっていけない気がしますが、プラス６時間なら、もっとゆっくり眠れるし、やりたいこともできるし、きっといいような・・・。
しかし、時間は作るもの。忙しい人ほど、時間の使い方が上手ですよね。
爽やかな秋風を感じて、あれもこれもやりたくなっている今。私もそうありたいなと思います。