CLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)という専門職があることを知りました。
病気で入院・通院する子供に寄り添い、精神面で支える仕事です。
米国の機関が認定する資格で、日本にはまだ45人ほどしかいないそうです。
その中の1人である、石塚愛さん(27才)が、この仕事を通して心がけていること、に納得でした。
それは子供に何かを選ぶ体験をしてもらうこと。
「治療は受け身になりがちなので、自分で選択することで、主体的に治療を乗り越えるという前向きな気持ちをもってもらう」ためなのだと。
本当にそうだろうなぁ、と思います。どんなささいなことであっても、それを自分が決めたかどうか、はとても重要ですよね。大人も子供も関係なく。
「今日の採血は座ってやる?ひざの上?」「座ってやる!」「じゃあ隣で座って応援するね」…。
こんなやりとりの先に、「お気に入りのぬいぐるみのように、不安な時には常にそばにいて、安心してもらえる存在になれたらいい」と。
それは包み込むような優しい笑顔でした。
CLSの重要な役割のひとつが「子供の思いを聞き出して、医師や看護師に伝える橋渡し的な役割」。
日々のやりとりで相手の思いに触れ、その上で選択できる状況をつくるには、人の心理の真髄を逃さない、細やかな寄り添い方が求められることでしょう。
これは人と関わるならば、どんな場合にもあてはまるなぁと、しみじみ思いました。