映画「魔女の宅急便」や、多くの童話作家として知られる、角野栄子さん。
前回のブログの若宮さんと同じ、この方も84歳だそうです。
80代女性のご活躍がまぶしい!!
角野さんと言えば、「魔女の宅急便」、「ハナさんのおきゃくさま」、そして小さなおばけ「アッチ・コッチ・ソッチ」シリーズ・・・。本当に数多くの作品があります。今ではその読者は、なんと3世代にわたるとか。
そんな角野さんの原点は、「想像力と好奇心」。
そして、5歳でお母様を亡くされ、そのつらい喪失体験が作品を生む原動力になっているのだと。
『お盆にだけ帰ってくる、見えない母を想像することで、見えない世界と親しくなった』と。
悲しみを前向きな力に変えてこられたのだなと感じるのは、角野さんの作品が、どれも温かさにあふれているから。
この年になると、それなりに身近な人の死にも遭遇していますが、
私の場合、急死した祖母とは、いまだにお別れしきれていません。
どこか見えない別の世界があって、そこに行っただけよと言われれば、そうだろうなと思えるほどです。
大切な人の死。それがもたらす意味・・・。どんなふうに感じますか?
ちょっと余談ですが、「魔女の宅急便」は本だと続編があって、主人公のキキが結婚して子供を生み、その子供たちの物語へと続くって、ご存知ですか?ぜひおすすめです。
さて、角野さんの発言です。
『昔はものがなかったから、ないものは工夫して作った。
子供たちも道草して知らないものに出会い、自分の物語を作っていった。
今はふさわしいものが何でもあるし、みんな急いでいる。
もっときょときょとして、想像する時間を持ってほしい』。と。
本当にそう思います。
自分ごとですが、先月とても忙しくて、頭のなかは常に「段取り」でいっぱい。
次、次、次・・・とめまぐるしい1ヶ月。さすがに心身ともに悲鳴をあげておりました。
寿命も縮まったし、奥歯の詰め物が外れ、お肌も荒れた10月(笑)。
角野さんの言われる「みんな急いでいる」という感覚、ドキっとしました。
「忙しい」=「心を亡くす」と書くと言われますが、まさにそんな状態。これではいかん、と思っていました。
そんな矢先、尊敬するある人から言われました。
「ボーっと何にもしない時間、取れているか?」って。
とっさに「ない!」と思いました。少なくとも10月の私は。
人間の脳は、「ボーっとする」ことで初めて、何かを生み出そうとするのだそうです。
だからあえて「ボーっとする」ことは、とても大切なこと。
角野さんの言われる『きょときょとする』って、いい表現だなぁと感じました。
ボーっとして、きょときょとして、想像の世界の扉を開けて・・・。
リラックスするって、そういうことなのかもしれません。
24時間の使い方、もっともっと、磨きたいなぁって思いました。