ふとしたことから、サン・テグジュペリの『星の王子さま』を読み返しています。
最初に読んだのは中学校の道徳の時間だった記憶があります。
そのあとはいつだったか、「大人こそ読むべき本」と知って読み…でも正直なところ、しっかりと味わって読んだことはなかったのです。
改めて読んでみると、以前とは違ったところに引っかかりませんか?
今回まさにそうでした。
過去に触れたときは、かの有名なキツネのセリフ、
「本当に大切なものは、目に見えないんだよ」
に、そのままなるほどと思ったのですが。
今回は…王子さまが「七ばんめの星」として地球にたどり着いて、そこで気づく場面に、目が止まりました。
『なんて、へんな星だろう、からからで、塩っ気だらけだ。 それに、人間に、味がない。 ひとのいうことオーム返しにするきりだ…。』 って。
この『人間に、味がない』って、ドキッとしませんか?
この場合の味とは「個性」、でしょうか。
少し飛躍しますが、最近になって人の顔が覚えられなくなってきました。
以前は覚えるのが得意でした。一度でも会う機会があると、すっと記憶できたのに。
しかも、相手によるのです。良くも悪くも(ここが正直なところ笑)、個性がある人の顔はおぼえやすい。
でも、どこかあっさり、無難にまとまっている人の顔は、会う機会が3回目ぐらいでようやく、ということもあります。
自分の顔はどうだろう。自分の顔、好きですか?
「個性がない、いきいきとした輝きがない、→味がない」だと私は理解しました。
『20歳の顔は自然の贈り物
50歳の顔はあなたの功績』
こう語ったのはシャネルです。
ずっと好きで、おぼえている言葉のひとつです。
美容という意味で、気になることもそりゃあ、ありますが。
私の場合、シワはあっていいなと思っています。生きてきた勲章というか。
不自然に若くなくていいと、ちょっと強がりですが(笑)。
造り、パーツ、そういうことではなくて。
自分の持ち味が表情に味として出せていて、それが、きらっと光るような・・・。
そんな顔を目指したいと思います。