引越しと聞くと、何を思われますか?
引越しが趣味のように大好きで、何度もする人とか。
芸能人でもいますよね、テレビで時々そういう話を耳にします。
私はちょっとした「整理魔」なので、
溜まってきたものをいっきに処分するきっかけになる引越し、
嫌いではありません。むしろ好きなほうかな。
でももう、したくないです(笑)。
今の住まいは「マンションのような家」なのですが、
ここに落ち着いたとき「もう引越しは最後にしたいな」と思ったので。
小さい頃から、何度となく引越しをしましたが、
そのたびに思い出すのは、新居で迎える最初の朝。
まず天井を見てびっくりするんですね。「ここ、どこだっけ?」って(笑)。
天井を見上げる機会なんて、そうはないはずなのに、引っ越してみて最初に驚くのは、「目に入ったそれが今までのものと明らかに違う」から。
知らないうちに天井って、見ているものなのでしょうか。
SEKAINO OWARI ピアニスト、藤崎彩織さん。
最近、引越しをされたそうです。
引っ越す前の家は、古いアパートのような家。
天井が高いことが気に入っていたそうで、「天井」というキーワードに目がとまりました。
ご主人とお子さんとの3人の住まいは、「これまでの人生のうちで、一番少ない人数で暮らした家」だったそう。
1畳ほどのベランダで変わった植物を育てたり、ご近所さんがすごく自然に触れ合ってくれたことがとても嬉しいと感じていて、退去日にがらんどうになった部屋を見渡しながら、「ありがとう」と思った、と。
夫と子供との暮らしを支えてくれて、ありがとう。
いつも風通しのいい部屋を、ありがとう。
素敵なご近所さんと出会わせてくれて、ありがとう。
『ありがとう、と思えば思うほど、恋人と円満に別れる時のような寂しさが胸をついた』という、この表現がなんとも、いいなぁと思ったのでした。
あれ?恋人と円満に別れたことって、どうだったかなぁ(笑)。
細かいことはさておき、切ない別れ、温かい気持ちがおさまらない別れ、ってありますよね。とても幸せなことなのに、ちょっとつらくて、どうにもならない気持ち。
今の家をそんなふうに大切に思える空間に、したいなぁ。