望まぬ妊娠などを理由に、親が育てられない子を受け入れる施設。
「赤ちゃんポスト」が熊本のある病院に設置されたのは2007年のことだそうです。
今回、新聞記事で読んだのですが、それは「赤ちゃんポストから、僕の人生は始まりました」と、そこに預けられたご本人の写真入りの記事でした。
宮津航一さんは、そのポストに預けられた時3歳。
この春、自身が18歳になったことを機に、自らの思いを実名で発信することを始めたそうです。
写真の宮津さんは、なんとも好感の持てる、生き生きとした表情の青年でした。
もしこれを、生みの親である方が目にしたら、どんな思いになられることか…宮津さんの決意も、その意思を尊重された里親のご両親も、本当に立派だと思います。
宮津さんは赤ちゃんポストがないことが理想と感じつつも、ベストではなくともひとつの手段として必要だと訴え、さらにもっと色々な受け皿があってもいいのではないかと主張されています。
そして、彼が目指すのは、いつか「当事者の集まりをつくること」だと。宮津さんのように、まっすぐにこの施設とそこからの生い立ちを受け止められない人もいるかもしれない。けれども、当事者にしかわからないことはどんなことにもあって、そのコミュニティが形作られていくことには、とても意味があると感じます。
色んな思いをされて18歳まで…その思いをかけがえのない強さと力に代えておられる人間力を感じて、こちらがすがすがしい気持ちになりました。