福島県双葉町。2011年3月の東日本大震災で起きた、東京電力福島第一原発事故。その時、多くの子ども達が何も持たず、校舎の外へと避難し、そのまま避難生活が長期化したそうです。
以来9年間もの歳月、非難した子ども達の持ち物は、そのままにされていた…。
校舎内に残されたランドセル、教科書、ノート、プリント類…。それがようやく持ち主のもとに返された様子が、新聞記事になっていました。
小学校1年生のときに書いた絵日記を手に取り、「忘れていたことばかり。この学校で6年間学びたかった」と話すのは、高校生。
9年ぶりに自分のランドセルを開け、原発事故で中止になった修学旅行の日程表をみつけると、「つらかった転校先でのことを思い出した」と涙ぐむ、大学生。
明らかに小さな机と椅子、何事もなかったかのような教室風景の中に、青年が一人。不思議な写真だと感じました。
当時のまま時が止まって、9年。一体どんな思いが、子ども達の心に積み重なったことでしょう。 私も東日本大震災を知っているけれども、それはまったく、対岸の火事でしかないことを思うと…言葉になりません。
小学生なんて、何も考えずに「今日の晩ごはん、何かな~」ぐらいでいいはずなのに。今の子ども達にそれで許される感覚は、あるのでしょうか。