料理研究家の有元葉子さん。正直、お料理よりもその暮らし方、生活空間のセンスにとっても憧れています。
そして、このところよく思い起こすのが、有元さんのエッセイにあった「力は出しきったほうがいい」という話です。
以下、エッセイ集『毎日すること。ときどきすること。』より
いつでも全力を出しきったほうがいい。
出し惜しみをしたり、全力を出すのは疲れるから「このへんでやめておこう」と力を出しきらないのは、浅い呼吸をしているのと同じ。
自分の中に燃焼されないガスみたいなものがいっぱいたまって、新鮮なものを受け入れられない心身になる。
有元さんは、ご自身のお料理教室を例に出して、こうも綴っています。
毎回、自分の持てる力を全部出しきります。そうすると、次に教えることがなくなってしまうのではないか、とよく言われるのですが、そんなことはないのです。すべてを出しきったほうが、新しいアイデアや考え方がわいてくるし、面白い情報が入ってきたりもする。出しきることで新しい空気が入ってきて、脳がしなやかになる感覚があります。と。
実は最近、オンラインのプログラムを進行する機会が増えてきました。
そういう時、自分に与えられた時間のなかで何を伝えるか、そこを考えながら、この「力は出しきったほうがいい」という、有元さんのメッセージが頭をよぎるのです。
今回この話をしてしまうと、次も求められる基準が高くなってしまうんじゃないか。また同じような話が思いつくとは限らない。むしろ、思いつく気がしないから…期待に応えられるような話はできないだろうなぁ…って。不安になるんです。
でも、そういう時にこの話を思い出します。いや、まずは今回ベストを尽くそう、次はまたその時に考えようって、思うようにしています。次がダメでも、いいじゃないって。もともと先のことを考えられないタチで、目の前のことですぐ手一杯になるし(笑)。
実は今も、昨日今日と2日間のオンラインセミナーを終えました。私は一部を任されただけですが、初日の最後のラウンドが、自分の中では山場でした。その直前は、逃げ出したかった(笑)。このまま、しれ~っと家に帰ったら、あとは誰かがやってくれるなぁと思って、間際まで心臓がバクバクしていました。
結果は…とにかく「出しきった」とは思えます。改善の余地、伸びしろ、いずれにしてもたっぷりありますが(笑)。
言い訳ですが、昨日は疲れすぎてブログを書きませんでした。
明日は事後ミーティング。「一晩じっくり寝かせて、思うところを考えてきて」と言われています。