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あわい

 向かい合う何かと何かの間をさす。または二つのものの関係をいうときに「あわい」という言葉があるのですね。

 作家の柳美里さんと古川日出雄さん。東日本大震災が生んだ様々な分断や格差の「あわい」に立ち位置を定め、場を生み出しておられます。

 2012年のラジオ番組から始まり、2015年には南相馬に移住、3年後に書店「フルハウス」をオープン。幅広くどの年代の人にも「止まり木」になる場でありたい、と。

 身近に自死や孤独死が問題になる状況で、「本は一冊一冊に別の世界がある」から。現実は苦しくとも、無数に世界があることを空間的に示せるから、本屋さんを始められたのだそうです。「悲しみに溺れそうになっている人たちの、その悲しみを流す場所、水路」とも。

 「本に別世界がある」ことには、私なりにわかるな~という思いです。時々、あまりにその世界に臨場感があり過ぎて、くらくらするような小説に出会います。通勤電車で、分刻みで没頭できる時間を大切にしています。

自分にとって大切な時間が何か、わかっている人は豊かだなと思うので。最近はインスタで個性を発信されている人が多いですよね。私はまだまだ見る側なのですが。自分の大切なもの、好きなものをわかっているっていいなと思うのです。

 話は戻りますが、東日本大震災の頃、長女が幼稚園に通っていて、怖がってしまうのでニュースを付けずに、わずかながらに不便を感じる生活に埋もれていました。当時もっと知ろうとすればよかったと後悔しています。渦中にある人の悲しみや苦しみには遠くても…。

 

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