以前から気になっていた、妹尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』を読んでいます。今年の本屋大賞受賞作です。 前半を読み終えたところですが、既にとても胸にせまるものがあって、この本の中身に触れられたことを、幸せに思います。
本も出会いだなぁと。
さて、主人公の優子は、実の親と別れ、それから血のつながらない人たちに育てられてゆく…というのが大まかなストーリー。
彼女を育てるのは、ちょっと風変わりだけど、つくづくいい人たちなのです。
温かな思想、穏やかな日常のなか、名言がちりばめられます。その中から。
これは一人の女性と結婚することで、優子の父親として生きることになった男性の言葉です。(優子を連れた、フィアンセの女性が言ったことからの気づきです。)
「母親になってから、明日が二つになったって。
自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。
親になるって、未来が二倍以上になることだよって。
明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?…」
(そう聞いて親になった今。)
『明日はちゃんと二つになったよ。
自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる。
すごいよな。…どんなに厄介なことが付いて回ったとしても、自分以外の未来に手が触れられる毎日を手放すなんて、俺は考えられない。』
・・・いかがでしょうか?世のお父さん、お母さん・・・に限らず。
子供を相手にしている人、にも限らず。誰かのために日々を生きる人であればみんな、そうなんじゃないかな、と。私はそう読み取りました。
明日がひとつ、やってくるだけでもとても幸せなこと。
でもそれが、二つ、三つ…自分以外の誰かの明日にも、力を出せるとしたら。
自分を大事に、がんばろうって思いました。