陶芸家でありながら、文章を通して自己表現することにも才能を発揮した河井寛次郎さん。本もたくさん残されています。
『火の誓い』という随筆集より。タイトルは強い感じがしますが、文章は優しい感じがします。
あの人に会いたいとか、その声を聞きたいとか。そういうぼんやりした思いが今日という日をあたためてくれます。
人と人のつながりは、そこにある出来事だけでなく、そういうぼんやりした思いをふわふわと風に乗せて、お互いの空をあたためあうといったつながり方もあるといいます。
人はその最後のカタチだけにどうしても熱心になりがちです。
しかし本当はそれとは縁遠いところにあるもの、見えにくかったり、カタチが変わっていたりするものにこそ、大切ないのちの火が隠されているのです。
そして、そのいのちの火を求めることこそ、日常に美しさを生み出す小さな歩みでもあるのです。
最初の一文が好きです。そして、私は本当に人付き合いにおいてマメではないので、「人はその最後のカタチだけにどうしても熱心になりがち」というところに、感じるものがありました。
そのことについては、次に続きを書きたいと思います。