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幸せの教科書

 最近あらためてはまっているのが、木皿泉さん。

小説も好きですが、エッセイにその魅力を再認識しています。

 実は、つい最近の私、幸せ感が薄まっていたのです。これは私の場合、不調の合図。

ささやかなことに喜びを感じたり、ありがたいと思うことに、「気持ち」がついていかなくなると、危険信号なのです。

 幸せは感じるものだし、ありがたいいう思いも、感じたいと思う以前に沸き起こるものなのに。

困ったなぁ~…そう思いつつ、読んだのです。木皿泉さんのエッセイを。

そうしたら、私にとってはまさに教科書のようでした。あ~、こうやって幸せって感じるんだった。

そうだった、そうだった、と思えたので。ここに引用させて頂きます。

・我が家の夕食のシメは甘酒である。湯飲みの底にたまったご飯粒のようなものを洗い流すとき、「また明日ね」という、とても穏やかな気持ちになる。

・客人が帰って、少しずついつものリズムが戻ってくる。もう一度お茶を入れ直して、お客さんからもらった珍しいお菓子を、ダンナと二人でいただく。「おもしろい人やったなぁ」とお菓子と一緒に満足する。これ以上の満ち足りたものはない。

・もしかしたら、明日のことをあれこれ思うのは、とても幸せなことなのかもしれない。明日炊く豆を水につけながら、そう思った。

  情景の描写から、ほっこりと温かい感覚が伝わってくるようです。当たり前のことを、当たり前と思わないように感じたいと思います。

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